専門医に聞きました!疲れず楽しく!歩き方講座
散歩といえども、不自然な歩き方を続けていると、膝や腰などの不調につながります。
ここでは、整形外科専門医の寺尾先生に伺った、疲れにくい歩き方を紹介しましょう。
「まず、気をつけたいのは姿勢です。中高年にありがちなのが、猫背で前のめりになってしまうこと。これでは腰に大きな負担がかかります。姿勢は日常の生活習慣でクセになっていますから、意識しないとなかなか改善できません」
そして正しい姿勢にする要領をこう説明します。
「胸を張って、骨盤全体で上半身を支えていることを意識してください。頭のてっぺんから糸で体が吊り上げられているようにイメージすると、正しい姿勢に近づきます」
正しい姿勢ができたら、次は歩行です。
「歩くときは、自分で自然と思える歩幅にしましょう。ただし、かかとや膝への負担が大きくなる極端な大股歩きはいけません。足の運びの理想はすり足。どこかに余計な力がかかることなく、一連の動きがなめらかに見えるのが体にも優しい歩き方です。他の人に見てもらうと、より客観的にチェックすることができます」
ポイント① 猫背にならないように背筋を伸ばして
頭のてっぺんから糸で体が吊り上げられているようにイメージしましょう。
ポイント② 腕をしっかり振りましょう
腕の振りが前へ進む推進力になります。意識して後ろにも振りましょう。
ポイント③ なめらかに歩くことを心がけて
適性な歩幅は人によって異なります。自然になめらかに歩ける歩幅で歩きましょう。
歩くことは様々な健康効果が得られる素晴らしい活動です。
せっかくですので正しい姿勢、歩行を意識して散歩を楽しみましょう。
執筆 寺尾 友宏
御茶の水セルクリニック院長
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会スポーツ医
日本再生医療学会再生医療認定医
職務と平行して学んでいた京都大学院の医学研究科では、幹細胞研究に参加するなど、再生医療のような新治療の開拓に強い興味を抱く。また、現場ではスポーツ整形外科医として医療に従事。杖道を行っていたこともあり、武道を始め、テニスやゴルフ、野球、サッカーなどの様々なプロアスリートを診療してきた実績を持つ。このような背景から、ミクロ(細胞)とマクロ(動き)の総合的な回復を信条として治療にあたる中、特にPRP治療の症例は600例を超える。
著書
『万能細胞医療—衝撃の未来医学』メタモル出版(2010年)
『「正しいクセ」を身につければ腰痛は治る!』洋泉社(2012年)