踵骨棘とは? 踵(かかと)の痛みの原因と対策

踵骨棘(しょうこつきょく)とは、踵骨(かかとの骨)の下部にできる骨の突起(棘)を指します。
一般的には、踵骨棘は足底筋膜炎と関連しており、歩行時に痛みを感じることがあります。
このブログでは、踵骨棘の原因、症状、そして効果的な対策について紹介いたします。

■踵骨棘の原因
踵骨棘の原因は様々です。以下に主な原因を挙げます。

1. 足底筋膜の負担
足底筋膜に過度な負担がかかると、炎症が起き、結果として踵骨に骨棘が形成されることがあります。特に、ランニングやジャンプなどの激しい運動を頻繁に行う人に多く見られます。

2. 長時間の立ち仕事
長時間の立ち仕事や歩行は、足底筋膜に大きな負担をかけ、踵骨棘のリスクを高めます。特に硬い地面で長時間立ち続ける仕事をしている人に多く見られます。

3. 肥満
体重が増えると、足にかかる圧力が増し、足底筋膜や踵骨に負担がかかります。これにより、足底筋膜が炎症を起こし、踵骨棘が形成されやすくなります。

4. 不適切な靴
足に合わない靴やサポートのない靴を履くと、足底筋膜への負担が増え、踵骨棘が形成されやすくなります。特にアーチサポートが不足している靴や硬い靴は避けるべきです。

5. 加齢
加齢に伴い、足底筋膜の弾力性が低下し、炎症や踵骨棘のリスクが高まります。年齢と共に筋膜の柔軟性が失われるため、適切なケアが必要です。

■踵骨棘の症状
踵骨棘の主な症状は以下の通りです。

1. かかとの痛み
朝起きたときや長時間座った後に歩き始めると、かかとに鋭い痛みを感じることがあります。この痛みは、足底筋膜が伸びる際に引き起こされることが多いです。

2. 炎症
足底筋膜炎と関連している場合、かかと周辺が炎症を起こし、腫れや発赤が見られることがあります。炎症が進行すると、歩行時の痛みが増すことがあります。

■踵骨棘の対策
踵骨棘を予防し、改善するためには以下のような対策があります。

1. 適切な靴を選ぶ
衝撃を吸収する靴底やアーチサポートのある靴を選び、足底筋膜への負担を軽減しましょう。特に、ウォーキングやランニング用の靴は、足にフィットし、適切なサポートを提供するものを選ぶことが重要です。

2. 体重管理
適正体重を維持することで、足への負担を減らし、踵骨棘のリスクを低減できます。バランスの取れた食事と定期的な運動を心掛けましょう。

3. ストレッチと運動
足底筋膜やふくらはぎの筋肉をストレッチし、柔軟性を保つことが重要です。特に朝起きたときや運動前後に行うと効果的です。足底筋膜を伸ばすストレッチや、ふくらはぎの筋肉をほぐすエクササイズを取り入れましょう。

4. インソールの使用
足底板やクッション性のあるインソールを使用することで、足底筋膜への負担を軽減できます。

5. 休息とアイシング
痛みがある場合は、足を休め、氷で冷やすことで炎症を抑え、痛みを緩和します。1回20分程度、1日に数回行うことが推奨されます。

■専門的な治療法
踵骨棘が重度の場合、専門医による治療が必要です。以下に一般的な治療法を紹介します。

1. 理学療法
専門的なストレッチや筋力強化トレーニングを行い、足底筋膜や周囲の筋肉の柔軟性と強度を向上させます。理学療法士によるマッサージや超音波治療も効果的です。

2. 薬物療法
炎症を抑えるために、非ステロイド性抗炎症薬を使用することがあります。医師の指導のもとで適切に使用しましょう。また、痛みが強い場合は、局所麻酔薬の注射を行うこともあります。

3. 注射療法
コルチコステロイドの注射を行い、炎症を抑え、痛みを緩和します。この治療法は、一時的に症状を和らげる効果がありますが、根本的な解決にはならない場合もあります。

4. 衝撃波療法
衝撃波を使用して、足底筋膜や踵骨の周囲の組織を刺激し、治癒を促進する治療法です。この療法は、組織の修復を促進し、痛みを軽減する効果があります。

5. 手術
最後の手段として、手術によって踵骨棘を除去する方法があります。手術は通常、局所麻酔下で行われ、痛みを伴わずに治療が可能です。手術後は、リハビリテーションを行い、再発を防ぐための対策を講じることが重要です。

 

踵骨棘は日常生活に大きな影響を与える可能性がありますが、正しい知識を持ち、対策ををすることで予防や改善が可能です。
適切な靴を選び、体重管理を行い、ストレッチやインソールを活用することで、踵骨棘のリスクを大幅に減らすことができます。
もし、踵骨棘に悩んでいる場合は、自己ケアを行いつつ、早めに専門医に相談することをおすすめします。
踵骨棘の原因と対策を理解し、健康な足を維持しましょう。