ウォーキングは、最も手軽で効率的なダイエット
年齢と共に基礎代謝が低下し、お腹まわりに余計なお肉がつく“メタボリック”状態に悩む方は多いと思います。
しかし、いざ食事制限やトレーニングで減量しようとしても、ストレスが溜まって断念したり、無理をして体をこわしてしまったり……。
強靭な心身がないと中々続きませんよね。
特に、40代以降の中高年の方は膝軟骨の破壊(すり減り)による膝の痛みを患いがちで、無理をすると関節疾患の半月板損傷や変形性膝関節症を誘発しかねません。
そこでおすすめしたい減量法が、誰でも無理なく簡単に行なえるウォーキングです。
今回のコラムでは、ウォーキングの減量効果や、消費できるカロリーについて解説します。
食事制限だけではダメ!ウォーキングがダイエットに有効な理由
ウォーキングがダイエットに有効な一番のポイントは、筋力アップ効果です。
体力に自信のない方がダイエットしようと考えたとき、まず食事制限を思い浮かべがちですが、一時的な減量に終わってしまう場合が多いようです。
長期間の食事制限はストレスになりますし、栄養が足りない状態が続けば筋力&基礎代謝の低下をまねいてしまいます。
一方、運動によるダイエットは、筋力&基礎代謝をアップさせながらカロリーを消費する、効率的かつ健康的な方法です。
以前のコラムで、歩くよりも少しだけ速いスピードで行なう“スロージョギング”を紹介しましたが、ただ歩くだけでも相当のカロリー消費が望めます。
ウォーキングで消費できるカロリーは?
例えば、30分ウォーキングした場合、体重50kgの方だと約80kcal消費できます。
食べ物でいうと卵1個、お魚ひと切れ、牛乳コップ1杯、茶碗半分のご飯などです。
これが60kgの方だと95kcal消費するとされ、1ヵ月間毎日30分歩いた場合、50kgの方は333g減量でき、60kgの方は400g減量できるとされています。
一見、あまり大きな減量効果はなさそうですが、ウォーキングを続けるうちに基礎代謝アップや、それに伴うむくみの改善、体のシルエットの引き締り感を実感でき、落とした体重以上のスリム効果を実感できるでしょう。
ちなみに、食事前にウォーキングをすると脳内のアドレナリン分泌が活発になり、一時的に血糖値が上昇。空腹がまぎれてダイエット効果が増すようです。
手軽にはじめられるウォーキングで、ひとまわりスリムな自分を目指してみませんか?
寺尾 友宏
お茶ノ水セルクリニック院長
職務と平行して学んでいた京都大学院の医学研究科では、幹細胞研究に参加するなど、再生医療のような新治療の開拓に強い興味を抱く。
また、現場ではスポーツ整形外科医として医療に従事。杖道を行っていたこともあり、武道を始め、テニスやゴルフ、野球、サッカーなどの様々なプロアスリートを診療してきた実績を持つ。
このような背景から、ミクロ(細胞)とマクロ(動き)の総合的な回復を信条として治療にあたる中、特にPRP治療の症例は多数。
資格
日本整形外科学会 専門医
日本整形外科 スポーツ医
日本整形外科学会 運動器リハビリテーション医
日本医師会 健康スポーツ医
日本医師会 産業医
日本体育協会 スポーツドクター
著書
『万能細胞医療—衝撃の未来医学』メタモル出版(2010年)
『「正しいクセ」を身につければ腰痛は治る!』洋泉社(2012年)